読みはじめるタイミングがなかったのと、
時間をかけて読むために取っておいたのと、両方。
某三部作小説の第一部を読み終わりました。
もう二十年以上前の作品です。
文字は読めるけど、文章を読むのはどうも苦手です。
頭の中でゆっっっくり朗読をしないと、わかりません。
そう読めば全ての表現が色になり、匂いになり、音になり、
私なりの回路を通ってはじめて「理解」につながります。
※ex
「電話の音」が「リンリンって音」に繋がっているとか、
そういうレベルのはなしではなくて
頻繁に本閉じては、じゅうぶんにイメージを味わい、また本に帰ります。
(芸術、広い意味での音楽・美術・演劇の)印象的な表現を感じると、
脳が普段と違う方向に伸びたり縮んだり、変形するのが気持ちいい。
偏見のない子供のような発想の表現は、
様々な感覚を刺激し、活力や、集中力のようなものをそそり、
多方面へのモチーベーションがだいぶ上がるし、
しつこく何度でも味わいたくなる(?)。
この本の作者の文章世界(本、作品)たちは、
ドビュッシーのあの1和音の響きみたいに、
ペダルを踏んだまま、ごはんを何杯でも食べれるような
食欲みたいな貪欲な活力を与えてくれる。
なんていうか
表現そのものに抱き締められているような
心地好い感覚と満足感がハンパない。
ストーリーの設定とか、展開とか、そんなレベルじゃなくて、
今更(ここ数年)ですが、こういう表現に出会えたことが嬉しいです。